2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

写真作品とコンセプト1

確かに、コンセプトを決めて写真を撮ったら 「コンセプチュアルな写真」になるわけでは ないんですよね。 その点では、「コンセプチュアルな作品」って すごく誤解されていると思います。 一般的にコンセプチュアルな作家だといわれて いる人の中にも、作品…

無限について4

私の作品は単純でありかつ複雑である。 作品の素材の選択や制作行為を最小限のものに 止めるという意味で厳しく自己を限定しており、 無規定な素材をそのまま用いたり周りの空間を 受け入れるという意味で複合的でややこしい。つまり自己を最小限に限定する…

無限について3

私はいかにして、無規定で不案内な未知性と関わることが 出来るか、そのことのために表現を試みるのである。 (中略) 人間を含めた大きな外界との関連の中で、自己を見ようと することが、私の歴史意識であり世界観である。 世界は私を越えてあり、不透明な…

無限について2

作品は、語れるが言葉そのものではない。 作品は、外界と関わるものである限りにおいて、 言葉からズレ隔てられたものであるしかない。近代言語論的に従えば、言葉とは、つまるところ 自我の表出した代名詞であり、その再現である。私は時に、自我--言葉から…

無限について1

私は無限感の漂う作品が好きだ。 描いたものと描いていない空間が絡み合って、 余白の力が漲る唐宋代の山水画や、 わずかに遺った絵画の破片とその周りを埋めた 広大な漆喰との鬩ぎ合いを見せる古代ローマの 壁画群など、そこには作者を遙かに食み出た、 大…