2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「活人剣」と「創造の場」

宮本武蔵という剣術家は 「自分が殺されないためには、絶対的に相手よりも 上の力を備えることが必要だ」という思想を持っていた。 帰納法的に「仮想敵」を置いて、自らを鍛錬していた。 しかし「活人剣」の上泉伊勢守は「自分が作った物語(ドラマ) の中に…

ブランクーシ・本質的にリアルなもの

リアルなものは、外側の形態ではなく、事物の本質のほうである。 この事実から出発するとき、外面を模倣することによって 本質的にリアルなものを表現することはいかなる人にも不可能である。 コンスタンティン・ブランクーシ(彫刻家、1876-1957)

ル=グインの想像力3

リアリズムの作家もファンタジーの作家も、莫大な量のことを 語らずにすませ、イメージやメタファーによってぎりぎり 最小限のことを暗示し、読者がその出来事を想像できるように します。 そして読者はまさにこれをするのです。 物語は共同作業によって成り…

ル=グインの「想像力」2

経験はアイディアの源泉です。 でも、物語は起こったことを映す鏡ではありません。 フィクションは想像力によって変換され、変形され、 変貌させられた経験なのです。真実は事実を含みますが、 事実と共存することはできません。芸術における真実は模倣では…