2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

制作のプロセス

通常はプランニングから制作を進める。 しかし逆に、物から、場所から、インスピレーションで 制作を始めることもたまにはある。 どちらも出発点であって、そのまますぐ作品になるわけではない。 プランニングから始めると、実際ではどんどんズレていくもの…

「中間項目」としてのグレー

グレーは存在感が弱く概念性に欠けている代わりに、曖昧で うつろいやすい未確定な世界を表すのにふさわしい色である。 そして作品が現実からも観念からも浸透を受けつつ、両方に 影響をおよぼす両義的な中間項である限りにおいて、 グレーはまさに絵画的な…

額縁―ひとつの美学的試み3

(『ジンメル・コレクション』「額縁―ひとつの美学的試み」より抜粋) 額縁の装飾全体を構成する決め手になっているのは、 流動と自己隔離の印象であり、これによって、絵画が あらゆる周縁的なものから絶縁されていることが強調される。 したがって分断のた…

額縁―ひとつの美学的試み2

(『ジンメル・コレクション』「額縁―ひとつの美学的試み」より抜粋) あらゆる心的現象において、ある存在が私たちにたいして距離を 保っているということは、その存在がそれ自身のうちで統一を 保っているということだ。なぜなら、ある存在が自己完結して…

額縁―ひとつの美学的試み1

芸術における境界とは、自然物において境界と呼ばれているものとは まったく意味を異にする。 自然物における境界とは、そのかなたにあるすべてのものとのあいだで、 たえまなく内浸透と外浸透が生じている場所というほどの意味しかない。 しかし芸術におけ…

余白の芸術

アートは詩であり批評でありそして超越的なものである。 そのためには二つの道がある。 一つ目は、自分の内面的なイメージを現実化する道である。 二つ目は、自分の内面的な考えと外部の現実とを組み合わせる道である。 三つ目は、日常の現実をそのまま再生…