2010-10-06 紙の上の点 【美術】 紙の上に点を打てば、それによって 下の紙の部分は消されてしまう。しかし点の下の部分は、消されることによって次の瞬間、 点をも抱え込んで一層大きく広いものとして蘇ってくる。つまり紙は点の辺りに海となって広がり、 点を島に変えてそこに浮かべる。芸術は、そういった反転のしくみが生み出す世界感である。 (李禹煥『余白の芸術』より抜粋)