ゲーテの色彩論

単彩画やそれに近い作品の巧みな明暗表現に接すると、
このうえもなく心が和んでくるが、それはひとに全体を
同時に知覚するからである。
普通、われわれの眼は時間的な経過のなかで全体を捉える。
だから全体は生みだされるというよりも、
むしろ探し求められるのである。

しかし、いくらうまく全体が捉えられたとしても、
それを固定することは決してできない。


(ゲーテ『色彩論』)